Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
中村 詔司; 寺田 和司*; 木村 敦; 中尾 太郎*; 岩本 修; 原田 秀郎; 上原 章寛*; 高宮 幸一*; 藤井 俊行*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(1), p.123 - 129, 2019/01
被引用回数:1 パーセンタイル:11.15(Nuclear Science & Technology)線計測により同位体を定量したり、断面積を求める際に、正確な線放出率のデータが、必要になってくる。Amは、重要なマイナーアクチノイド核種の一つであり、中性子捕獲後にAmを生成する。Amの基底状態から放出される744-keV線は66%と比較的大きな線放出率を持つけれども、その誤差は29%と大きい。線放出率の誤差は、放射化法による中性子捕獲断面積測定において、系統誤差の主要因となる。そこで、放射化法とCmのレベルを調べることにより、線放出率を測定した。本研究により、744-keV線の放出率を、66.51.1%と、相対誤差29%から2%に低減して導出することができた。
日高 昭秀; 工藤 保; 中村 武彦; 上塚 寛
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(3), p.273 - 275, 2002/03
被引用回数:10 パーセンタイル:54.86(Nuclear Science & Technology)シビアアクシデント条件下における照射済燃料からの放射性物質放出挙動を調べるVEGA計画では、第3回目実験を2000年10月に行った。試験燃料は、被覆管を取り除いた燃焼度47GWd/tUのPWR燃料ペレット2個であり、大気圧,He雰囲気条件下で3,123Kまで昇温した。燃料溶融により、揮発性セシウム(Cs)の放出は促進され、最終的な放出割合は約100%に達したが、低揮発性のRuとEuのそれはゼロであった。燃料溶融時のCsの放出率速度係数は、燃料の融点以下の測定データから求めた放出率速度係数をアレニウス式に従って外挿した場合と比較して1桁近く増加した。このことは、燃料溶融時の放出挙動のモデル化にあたっては、UO結晶格子を常に健全と仮定するCORSOR型モデルや結晶粒内の拡散モデルなどの従来法からの外挿とは違ったアプローチが必要であることを示している。
前原 直
JAERI-Research 2000-061, 104 Pages, 2001/01
5GHz LHCDシステムに必要不可欠な大出力クライストロン,高周波真空窓,低ガス放出アンテナ及びプラズマ対向用アンテナ先端部モジュールの開発研究について報告する。クライストロン開発では0.7Pのビームパービアンスを用いた設計により715kW-63%の出力及び効率を短パルスクライストロンで実証した。高周波窓ではピルボックス部の寸法をオーバーサイズにすることにより1MW-CWが可能であることがわかった。低ガス放出アンテナの開発では、高温で機械特性に優れたアルミナ分散強化銅を用い、ガス放出率は300で410Pam/smの十分低いレベルであることがわかった。先端部モジュールの開発では炭素系繊維材を用い、46MW/m-100秒の定常運転を実証し、ガス放出率も十分低いレベル(10Pam/sm: at 120)であることがわかった。
前原 直; Goniche, M.*; Kazarian, F.*; 関 正美; 池田 佳隆; 今井 剛; Bibet, P.*; Froissard, P.*; Rey, G.*
Fusion Engineering and Design, 49-50, p.269 - 273, 2000/11
被引用回数:4 パーセンタイル:32.52(Nuclear Science & Technology)日仏協定に基づく低域混成波(LH)アンテナ先端部モジュールからのガス放出に関する共同実験効果について発表する。共同実験では、プラズマに対向するアンテナ先端部材料として耐熱特性に優れた炭素系繊維材(CFC)を採用したアンテナモジュールの開発を行い、長パルス及び高電力の高周波伝送時におけるガス放出に関するデータベースを確立した。高周波電力密度45MW/mで、1200秒の伝送試験における定常運転時のガス放出率は、10Pam/sm以下であり、LHアンテナ独自の真空排気系が不要である結論を導いた。
古高 和禎
JNC TN8400 2000-028, 70 Pages, 2000/10
本報告は、著者が核燃料サイクル開発機構において、平成9年11月から平成12年10月までの期間に博士研究員として行った研究内容をまとめたものである。本報告は、二つの内容に分かれる。すなわち、一つは、熱中性子吸収断面積の測定の高度化に関する研究である。今一つは、HHS検出器を用いた光核反応断面積の微細構造測定の高度化に関する研究である。1)放射化法を用いた線測定による熱中性子吸収断面積測定において、得られる結果の精度に影響を及ぼす主な要因には、線収量の統計精度の他に(1)線ピーク検出効率の校正精度、及び(2)線放出率の精度があげられる。本研究では、高速三次元同時計測システムを作成することにより、(1)線ピーク検出効率を精密に校正するための、-同時計測法を用いた標準線源放射能の精密測定、及び(2)短寿命核の線放出率の精密測定に用いるための、線検出器にプラスチックシンチレータを用いた-同時計測法の開発及び、それを使用した100Tcの線放出率の精密測定を行い、熱中性子吸収断面積測定の高度化を図った。2)熱中性子吸収断面積が小さい核種に対しては、巨大共鳴領域の線を用いた光吸収反応による核変換が提案されている。光吸収反応による核変換を効率的に行うためには、光吸収断面積の入射線エネルギー依存性を詳細に知る必要がある。本研究では、高分解能高エネルギー線スペクトロメータ(HHS)を用いた光吸収断面積の微細構造測定をより精密で信頼できるものとするために、精密なモンテカルロシミュレーション計算を実施し、検出器の標準線応答関数の整備を行った。
勝山 幸三; 永峯 剛; 前田 宏治; 松元 愼一郎
JNC TN9410 2000-009, 65 Pages, 2000/09
日本国内初の高速炉(実験炉「常陽」)を用いたウラン・プルトニウム混合炭・窒化物燃料(以下 炭・窒化物燃料)の照射試験は、高速炉における照射挙動及び燃料ピンの健全性を確認し、新型燃料の評価に資するために実施した。本研究では炭化物燃料ピン1本、窒化物燃料ピン2本を最大燃焼度約40GWd/tまで照射した。炭・窒化物燃料の非破壊照射後試験は大洗工学センター照射燃料集合体試験施設において平成11年10月から開始し、平成12年3月に終了した。本報告書は炭・窒化物燃料の非破壊照射後試験結果について報告するものである。主な結果を以下に示す。(1)照射後非破壊試験結果から炭・窒化物燃料ピンの健全性を確認した。(2)炭・窒化物燃料のスタック伸び率は、高速炉用MOX燃料のそれよりも大きく、これは燃料スエリング挙動の違いに起因している現象と予測される。(3)炭・窒化物燃料のスタック部の線強度分布に特異な挙動は確認されなかった。窒化物燃料では下部熱遮蔽ペレット部及び燃料ペレット外周部へのCs137の移動挙動に差異が認められた。炭化物燃料では明確なCs137の移動は確認されなかった。(4)燃料ピン寸法測定から直径ギャップ幅の小さい炭化物燃料及び窒化物燃料ではスタック部にFCMIに起因すると予測される50m前後の外径増加が確認された。一方、直径ギャップ幅の大きい窒化物燃料ではペレットのリロケーションに伴うと予測される比較的顕著なオーバリティが観察された。(5)窒化物燃料のFPガス放出率は3.3%と5.2%を示し、高速炉用MOX燃料と比較すると低い値であった。
井上 賢紀; 鵜飼 重治; 浅賀 健男
JNC TN9400 2000-041, 29 Pages, 2000/03
実用化戦略調査研究における窒化物燃料オプションの実現性評価に資するため、窒化物燃料の照射挙動および設計評価用モデルに関する調査・検討を行った。(1)燃料ピン機械設計評価(CDF評価)への反映被覆管のクリープ寿命分数和の評価には、内圧変化(FPガス放出率)と被覆管減肉挙動(FCCI挙動)に関する情報が必要である。また、窒化物燃料は酸化物燃料に比較してFPガス放出率をかなり小さく抑えられる可能性があることが指摘されており、プレナム長さの低減による炉心燃料集合体の短尺化の可能性もある。そこで、窒化物燃料のFPガス放出挙動とFCCI挙動に関する過去の報告例を整理し、実績範囲を明確化するとともに、高燃焼度領域までの予測評価を行った。(2)燃料ピン仕様選定への反映燃料体積率向上の観点からはより高い燃料スミア密度の燃料ピン仕様が望まれるが、窒化物燃料は酸化物燃料に比較して燃料スエリングが大きく、FCMI挙動の観点からスミア密度には上限値(許容燃料スミア密度)が存在すると考えられる。そこで、窒化物燃料の燃料スエリング挙動に関する過去の報告例を整理し、実績範囲を明確化するとともに、高燃焼度領域に対する予測評価を行った。(3)水冷却オプション特有の問題に関する調査軽水炉あるいは超臨界圧水炉を発展させた高速炉概念に関連し、窒化物燃料と高温水との共存性に関する過去の報告例を整理した。
笹島 栄夫; 更田 豊志; 中村 武彦; 中村 仁一; 上塚 寛; 菊池 圭一*; 安部 智之*
JAERI-Research 99-060, p.62 - 0, 2000/03
反応度事故条件下における照射済MOX燃料の挙動、特にFPガス放出や破損機構をウラン燃料と比較し把握するために、原研のNSRRにおいて燃料燃焼約20MWd/kgHMまで新型転換炉「ふげん」においてベース照射したATR/MOX燃料を用いたパラメータ照射実験を行った。これまでに4回のパルス照射実験をピーク燃料エンタルピ335J/gから586J/gの範囲で実施したが、燃料の破損は観察されなかった。500J/g以上のピーク燃料エンタルピを与えた実験では、PCMIによる比較的大きな燃料棒の変形が生じた。パルス後のガスパンクチャ試験により、約20%のFPガス放出が観察された。Puスポット位置では、FPガスがたまっていると思われる直径数十ミクロンの大きな気孔が見られた。ペレット外周部のPuスポットの周りでは結晶粒の微細化が観察された。またペレット外周部でのマイクロクラックの生成、Puスポットを起点としたクラックの生成、マトリックス部の結晶粒界分離が観察された。このようにパルス照射によるペレットミクロ組織の変化がパルス照射時の燃料スエリングに寄与したと考えられる。また相対的に高いピーク燃料エンタルピのパルス照射時に見られた、燃料棒の大きな変形及び高いFPガス放出率は、このようなミクロ組織の変化によって生じたものと思われる。
前原 直; 清野 公広; 関 正美; 菅沼 和明; 池田 佳隆; 今井 剛; Goniche, M.*; J.Brossaud*; V.Cano*; F.Kazarian-Vibert*; et al.
JAERI-Research 97-086, 29 Pages, 1997/11
炭素系繊維材(CFC)を用いて、プラズマに対向するアンテナ先端部モジュールの開発を行った。試作したモジュールの耐電圧特性、高周波特性及びガス放出特性について、準定常運転が可能なフランス・カダラッシュ研究所の高周波出力試験装置で、これらの特性評価を行った。その結果、150MW/m(設計値の約3倍)の高周波電力を伝送しても、高周波特性及び耐電力特性に問題ないことを実証した。またCFCモジュールからのガス放出率は、モジュール温度350Cにおいて、アルミナ分散強化銅モジュールからのガス放出率の約6倍程度であることが明らかになり、先端部モジュールの材料として有力な候補である結論を得た。
荒井 康夫; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 岡本 芳浩; 中島 邦久; 新見 素二; 助川 友英; 山原 武; 鈴木 康文
JAERI-Research 95-008, 92 Pages, 1995/02
ウラン・プルトニウム混合窒化物ペレットを充填したヘリウムボンド型燃料ピン2本を、88F-5Aキャプセルに組み込み、JMTRにおいて最高線出力65kW/mの条件で燃焼度4.1%FIMAまで照射した。照射後の燃料ピンに有害な欠陥は無く健全であった。燃料中心の装荷した熱電対指示は照射期間中に燃料温度が低下する傾向を示し、ペレットと被覆管のギャップが徐々に閉塞することが確認された。FPガス放出率は約2~3%と極めて低い値であるとともに、燃料ピンの外径増加率は最大でも約0.4%にとどまるという結果を得た。また、ステンレス鋼被覆管内面に有意な腐食は観察されなかった。そのほか、照射に伴う燃料組織変化等についても知見を得た。
荒井 康夫; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 中島 邦久; 野村 勇; 吉田 武司; 鈴木 康文
JAERI-Research 94-027, 66 Pages, 1994/11
本報告書は、混合炭化物燃料ペレットを充填したHeボンド型燃料ピンを組み込んだ87F-2Aキャプセルの照射及び照射後試験結果についてまとめたものである。照射はJMTRにおいて平均線出力60kW/mの条件で行い、燃焼度は4.4%FIMAに達した。照射後の燃料ピンには有害な欠陥も無く健全であった。燃料ピンの断面写真からは、燃料ペレットと被覆管の間のギャップが閉塞されていることが確認された。熱安定型ペレットの採用に起因して、従来の燃料と比較して、極めて低い閉気孔率とFPガス放出率、緩やかな組織変化等が観測された。最大で~0.06mmの被覆管の外径増加が観測されたが、燃料ピンの照射健全性に影響するものではなかった。また、被覆管内面の浸炭現象もみとめられなかった。
鈴木 元衛; 斎藤 裕明*
JAERI-Data/Code 94-011, 178 Pages, 1994/09
軽水炉の高燃焼度燃料棒の通常時及び過渡時のふるまいを解析する計算コードEXBURN-Iを開発した。高燃焼領域では、FPガス放出、被覆管の水側腐食、ペレットの性質の変化などが、燃焼度に依存しつつ燃料棒のふるまいに大きく影響する。こうした現象を解析するため、本バージョンにおいてはFEMAXI-IVをベースとしつつ、改良を施し、新たなモデルを組み入れた。本報告は、コードの全体構造とモデル及び物性値の説明を行い、入力マニュアル及び標準出力例を添えたものである。本コードの性能の実験データによる検証と向上は次の段階でなされる。
三原 守弘; 吉川 英樹; 油井 三和
PNC TN8410 94-241, 53 Pages, 1994/07
平成3年7月に原子力委員会は、「TRU核種を含む放射性廃棄物の処理処分について」を公表し、その中でTRU廃棄物の処分を1990年代後半までに見通しが得られるよう検討を行う必要があることを述べている。以上の状況を踏まえ、本報告書では、TRU廃棄物の特性を考慮し、暫定的に設定した処分システムにて予備的な性能評価試算を行い、今後の研究課題の摘出及びそれらの優先順位付けを行った。主な結果は、以下のとおりである。(1)C-14やI-129等の地下水に対して可溶性かつ非吸着性の核種が人工バリアからの放出率を支配する重要な核種となるため、これらの核種の遅延機構の研究を行う必要がある。(2)硝酸塩及び有機物の存在により核種の溶解度が上がることが示唆された。よって硝酸塩及び有機物の存在下における信頼性の高い熱力学データの取得、拡散係数及び分配係数の取得を行う必要がある。(3)可溶性核種の人工バリアからの放出率については、固化体中のインベントリに依存するためインベントリを把握する必要がある。また、本試算ではデータ不足等により考慮しなかったが重要と考えられる研究としては人工バリア材の長期安定性、ガスの発生・移行、微生物影響調査研究等が挙げられる。今後、これらの研究を進めながら処分システムの構築を行う必要がある。
岩井 孝; 荒井 康夫; 前多 厚; 笹山 龍雄; 関田 憲昭; 野村 勇; 鈴木 康文
JAERI-M 94-036, 81 Pages, 1994/03
炭素量の異なるウラン・プルトニウム混合炭化物燃料ペレットをそれぞれ充填した2本の燃料ピンを、JMTRを用いてキャプセル照射した。燃焼度は4.5%FIMAに達した。東海研燃料試験施設に搬入して照射後試験を実施した。本報告書は照射後試験の結果および考察をまとめたものである。照射後試験では、4.5%FIMAまでの照射健全性が実証された他、照射挙動として、燃料ペレットからのセシウムの移行、FPガス放出率、気孔分布の変化、被覆材の浸炭現象など、多くの知見を得ることができた。
林 巧; 鈴木 卓美; 奥野 健二
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.1431 - 1435, 1994/00
被引用回数:19 パーセンタイル:82.28(Materials Science, Multidisciplinary)ジルコニウムコバルト-トリチウム化物からのヘリウム3(トリチウム崩壊生成物)の放出挙動を約3年半にわたり観測した。トリチウムの貯蔵を開始後、約2年までは実験条件(常温~250C,水素比率(T/ZrCo)=0.3~1.5,及び水素の吸放出回数=1~10)下で3%以下のHe放出率であった。が、その後、一部の実験条件(常温~150C,T/ZrCo≒1.4,吸放出1回)にて、放出率が上昇、約25%となってきている。また、トリチウム化物中に蓄積されたHeは、ZrCoとの比で約0.2となってきている。このHeの放出率の上昇はウラン、エルビウム等他のトリチウム化物の報告とも良く一致している。通常のトリチウムの吸放出作業では、初期に蓄積したHeは放出されないので、上記のようにいずれ、Heの放出率が上昇してくる時期がくる。全く安全にトリチウムを貯蔵できるのは約2年程度までであることがわかった。
宮原 洋*; 松本 広樹*; 森 千鶴夫*; 竹内 紀男; 源河 次雄
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 339, p.203 - 208, 1994/00
被引用回数:10 パーセンタイル:68.33(Instruments & Instrumentation)Se,Ho,Irの線放出確率を4(ppc)-(HPGe)同時計数装置を用いて精密測定した。検出効率関数の決定には、上記の核種を二次標準試料として使用した。本法は、自己無撞着な結果を与えるので標準試料の使用に制限がある場合に有用である。
吉田 真; 川崎 克也; 間辺 巖
Radioisotopes, 41(6), p.316 - 319, 1992/06
面線源の表面放出率決定のため、2計数管システムを設計した。計数管は、線源位置及び試料の厚さにおいて良いプラトー特性を示し、ISOの基準線源を収納して測定することができる。本システムは、放射線管理測定における校正用線源のトレーテビリティのための仲介測定器として有効に利用できる。
林 巧; 天野 順造; 奥野 健二; 成瀬 雄二
Fusion Technology, 21, p.845 - 849, 1992/03
トリチウムの長期的使用・貯蔵保管に耐える材料選択・開発を行なう場合、材料中の崩壊ヘリウム(He)の挙動に関する知見はトリチウムの挙動と共に重要である。本報では、当研究室で開発・実用化したジルコニウムコバルト合金を用い、そのトリチウム化物(ZrCoTn)からのHeの放出挙動を約1年半にわたり調べた。実験には各0.5gのZrCoを用いた小型のトリチウム貯蔵容器を使用し、ZrCoTnの放置温度(293-523K)、トリチウム化率(0.3,1.4)、および水素の吸放出回数(1,10)をパラメータとしてHeの放出量を圧力の経時変化と定期的ガス分析により測定した。結果、上記実験条件下でHeの放出率は全崩壊トリチウム量の約3%以下で、実験期間中ほぼ一定であった。さらに、ZrCoTn中のHeは、873Kまで昇温してほとんどのトリチウムが解離・崩壊しても放出されなかった。
中島 鐵雄; 斎藤 裕明*; 逢坂 俊郎*
Transactions of the 11th Int. Conf. on Structural Mechanics in Reactor Technology,Vol. C, p.1 - 6, 1991/08
FEMAXI-IVは、通常時及び異常な過渡時における軽水炉燃料の熱的及び力学的な挙動を解析する計算コードである。本コードの主な目的は、ペレットと被覆管の力学的相互作用(PCMI)による被覆管内の応力・歪分布計算、及び運転中、特に過渡時のFPガス放出率計算である。このため、本コードでは力学的挙動の解析に有限要素法を採用し、PCMIを考慮した複雑な応力計算を行えると共に、FPガス放出挙動の解析には機構論的モデルを採用し、詳細なFP放出挙動の計算が行える。本コードは3つのサブコードから構成され、それらは(1)熱的挙動サブコード、(2)全体的な力学的挙動計算サブコード、(3)局所的な力学的挙動計算サブコードである。本コードは、ハルデン計画、スタズビック計画等から入手したデータを用いて入念に検証を行なった。本論文は、FEMAXI-IVコードの概要と計算結果を紹介するものである。
野村 靖; 岡田 幸衛*; 小幡 祐司*; 中山 忠和*; 田辺 安雄*; 西尾 軍治; 三谷 鉄二郎*; 倉重 哲雄*; 鈴木 賢一*; 杉山 俊英*; et al.
日本原子力学会誌, 33(4), p.318 - 328, 1991/04
再処理施設の事故時安全性評価を行うために必要となる、火災、爆発、臨界事故等の事故時における放射性物質の放出率、フィルタ透過率等の移行挙動に関する各種基礎データを調査し、安全裕度を分析・評価した。調査対称としては、米国及びわが国において標準的に用いられているANSI推薦の基礎データとし、これらの値の導出根拠を元の文献に立ち返って調査することとした。また、これに関連して最近公開されたデータを記載した報告書もできるだけ調査対象とした。これにより、従来、安全側の評価を与えるとされてきたANSI推薦値の安全の度合を明らかにし、より適切な安全裕度を有する基礎データの提案を行うようにした。本資料は、原研が(財)原子力安全研究協会に委託して「再処理施設安全評価用基礎データの調査」専門委員会の下に設置したワーキンググループによる2年間にわたる調査・検討の成果をまとめたものである。